Coinbaseはトークンを発行するのか/ Anchorによる安定金利の貯蓄DeFi

#134 Bspeak! 2020年7月13日号

AVAXのトークンセールの延期とスキャム

Devconで話題になったスマコンプラットフォームのAvalancheのセールが7月8日に予定されていたので、参加しようとしていたのですが、DDOS攻撃を受けて1週間の延期となりました。

需要によるアクセスが多かったという理由も発表されていますが、見ていた限り、予定されていた攻撃だったかと思います。面白い状況でしたので、以下に当時の様子を書いていきます。

  1. 開始時間の前から、サーバが落ちてサイトが表示されなくなる。

  2. Avalancheのdiscord上で、Avalancheチームメンバーのプロフィール画像を使い、Avalancheメンバーを装い、偽物のブログ記事を投稿される。
    ※内容は「アクセス過多でサーバが落ちているので、この記事のアドレスに資金を送って直接参加してほしい」というもの。

  3. その投稿がadminによって消されても、異なるアカウントによって何度も投稿される。
    ※投稿直後には、スタンプ絵文字「OK」などをつけ釣ろうとする。

  4. ようやくadminによってチャンネルはミュートにされ、誰も発言できなくなる。※Twitterにて「トークンセールのシステムを担っていたTokenSoftのインフラをスケールアップ中」と公式の発表がある。

  5. Twitterにて、公式アカウントがTelegramのリンクを貼ったので入ってみると、公式しか発言できないようになっていましたが、数件のDMが送られてきました。同様にチームのプロフィール写真を使い「adminだけど、セールを案内するよ」というものでした。

その後、セール延期が発表されたという流れです。DeFiプロダクトや新しい製品で触ろうとしている人は、詐欺や成りすましを狙う人がいることを常に頭にいれておく必要があると思います。

また今回の件で、パブリックセールのツールに関しては TokenSoft よりも CoinList に成功実績が積み重なっていると感じました。事前の指値予約や、ダッチ・オークションのシステムなど工夫がされています。TokenSoftは頑張っているセキュリティトークンに注力したほうが良いかもしません。

 

■Last Week in Crypto(先週のニュース)

1.Exclusive: Crypto exchange Coinbase readies landmark stock market listing

Coinbaseが早ければ今年中の株式公開を目指して準備を進めていると報道されました。資金を集めるIPOではなく、最近多くなっている「直接上場」による株式公開を模索しているそうです。

もしSECに承認されて実現されれば、「株をもっている社員や投資家が資金を得るので、クリプト界隈に資金が流通する」という強気の見方も多いです。暗号通貨取引所では初の上場となり、マイニング業界以外での初のユニコーン上場となります。

ちなみに興味深いのが、Coinbaseがトークンを発行するかもしれない可能性です。 Unconfirmed の podcast 内の、Fortuneのジャーナリストの会話ですが、02:39~を聞くと、「共同創業者と話して、トークンを発行することもほのめかした」とあります。まさに "unconfirmed" の内容ですし、規制的にとても困難ではあると思いますが、暗号通貨の巨大企業でいろいろな機能をもっていますから、ICOとIPOのコンボをやる可能性も 0% ではないかもしれません。

 

2.Cosmos, Polkadot, and Terra unveil Anchor, a new DeFi lending protocol

Cosmos, Polkadot, Terraが、DeFiプロトコル Anchor を発表しました。

スマートコントラクトが、ステーブルコイン(Terra)を生成するデポジットの一部を使って、トークン化されたステーキングのポジション(bAssetトークン)を買い、そのステーキング報酬により、高い金利が提供されるということのようです。

また金利が時間とともにぶれないように、ベンチマークとなる金利(Anchor Rate)を設定し、常にその金利になるように自動で調整がされます。

上記のbAssetをレンディングの担保として受け入れるようにし、bAssetによるステーキング報酬が「借り手」と「貸し手」の両方に分配されます。その割合をアルゴリズムで動的に決めることで、金利が常にAnchor Rateに近づくように調整されます。

複雑ですが、彼らの実施したいことは Anchor ホワイトペーパーの以下の部分で説明されています。

"Anchorは、メインストリームの投資家に対して、ボラティリティの低い、かつ高い収益率の利回りを提供しようとする試みです。一般の投資家には、商品の数が多く、それぞれ条件や利回りが異なるため、DeFiは魅力的ではありませんでした。主要なPoSブロックチェーンのブロック報酬を集約することで、Anchorはブロックチェーン経済のベンチマーク金利を設定します。"

これにあわせて、新たに Interchain Asset Association (IAA) が設立され、Terra、Cosmos、Web3 Foundation が運営し、Anchorの初期のガバナンスをします。その後ユーザーにガバナンストークンを配布し、分散化を計画しています。DeFiの、Ethereum上での盛り上がりをみて、別のチェーンでも採用する動きが出てきました。

 

3.[AMA] We are the EF's Eth 2.0 Research Team (Pt. 4 - 10 July, 2020)

Ethereum Foundationは、第4回目のEthereum 2.0の AMA(質疑応答)を開催しました。いつETH2.0のフェーズ0になるか、という質問に対して回答は様々でした。

Justin Drake氏は、Ethereum 2.0のBeacon Chainのリリースは2021年1月になるだろうと述べ、Danny Ryan氏とVitalik Buterin氏は、2020年末までにはフェーズ0が実現するだろう、と主張しています。Vitalik氏は、「フェーズ1までは、Beacon Chainに依存した重要なアプリケーションは存在しない」と理由を述べています。

先週、4つのクライアント(Lighthouse、Nimbus、Prysm、Teku)を搭載してAltonaテストネットがローンチされました。最後のテストネットステージとなりますが、Ethereum Foundationは、2,3ヶ月の間稼働の様子をみて判断したいようです。

ETH2.0への移行はユーザーの資金が数十億にもなる移行で、前例もなく、時間がかかって当然と思います。もちろん資金の状況や他のスマコンプラットフォームの台頭などを理由に急ぐ必要もありますが、長期的にみれば慎重にやっていくというのがコンセンサスのようです。

 

4.Aave

Aave がクレジット委任の仕組みを発表しました。これによってAaveにデポジットした人は、そのクレジットを他の人に委任することができます。そうすると、クレジットを委任された人は、担保を預けずにAaveから借り入れすることができます。

この無担保ローン契約は、OpenLawをつかって、委任者と借り手の間で交渉および契約の保証をしているようです。

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過剰担保融資は資本効率が悪く、無担保融資はDeFiレンディングで求められていたので、今回の仕組みによって、Aave上で多くの貸し借りが実施される可能性があります。

 

5.Trump’s Former Sanctions Chief Joins Bitcoin Investigation Firm Advisory Board As Part Of Expanded $49 Million Investment

ブロックチェーン分析企業のChainalysisは、$13 millionドルをシリーズBの追加で資金調達しました。

さらに今回、トランプ米大統領の元財務次官(テロ・金融犯罪担当)のシーガル・マンデルカー氏を、新しい役員を迎えています。Forbesの記事では、「影響力のある規制当局者が、かつて監視していたクリプト企業に参加する」という傾向が大きくなっていると指摘しています。確かに他の企業でも、元レギュレーターから取引所のコンプラ担当に移籍したという話はよく記事に出ています。

 

6.Katalyst and KyberDAO go live on 07.07.2020!

Kyberは「Katalyst」というアップグレードを実施し、KNCのトークンモデルの変更されました。KNCはKyberDAOにステークされ、ネットワークパラメータに様々な変更を加えることができるようになります。ガバナンスプロセスに参加したトークンホルダーは、Kyberの交換手数料から得られるETHの報酬を一部受けることができます。

このアップグレードに先立って、最近KNCはしっかりと評価されて、価格も上昇しています。BancorとIDEXなども今後v2をリリースする予定で、DEX間の競争は激化していますが、DEX全体の出来高が底上げされているので、ユーザ視点でみると良い状況だと感じます。

 

7.CENTRE appears to have blacklisted an address holding USDC for the first time - The Block

10万 USDCのステーブルコインを保有するEthereumアドレスがブラックリストに登録されました。USDCの発行元である Centre は 「法機関からの要請を受けてブラックリストに登録した」としています。

USDCのスマートコントラクトは、グローバルブラックリストをもっていて、裁判所命令やグローバル制裁制限などの法的要件を満たすために実装されました。ブラックリストに登録されたアドレスは、USDCスマートコントラクトを通じて取引を実行することができません。


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以降もSubstackページからご覧ください。