DFININYのトークンモデル / 新しい rally のトークン配布手法

#146 Bspeak! 2020年10月5日号

■Last Week in Crypto

1.Dfinity unveils new token-based governance system

クラウドサービスを置き換えるという野心的なプロジェクトDFINITYは、Webイベントで、ガバナンスシステムとトークンモデルを発表しました。今年後半に予定されているローンチの最終段階になっています。

DFINITYは2018年にa16zやPolychainが支援し、$160Mドル以上を調達して話題になりましたが、その後ステルス気味で開発を進めていました。特徴としては、独自のコンセンサスモデル(Threshold Relay)と、ネットワーク神経システム(Network Nervous System :NNS)を利用したアルゴリズムガバナンスです。

ローンチされると、独立したデータセンター等が、Network Nervous System(NNS)という意思決定に参加するアルゴリズムを使って、DFINITYネットワークに参加できます。ここでネイティブトークンであるICPトークン(元々はDFNトークン)がNNSにステークされます。また個人のトークンホルダーは、NNS内にトークンをロックして、新しい提案に投票できるようになります。

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このようなガバナンスの用途に加えて、ICPトークンは、EthereumでいうGasのような用途もあります。ICPをバーンすることで「Cycle」を発行でき、これがDfinity上でソフトウェアを動かすための燃料になります。この Cycle は価格安定のメカニズムがあるらしく、Dfinity上の分散型金融(DeFi)アプリを使用するためのステーブルコイン、通貨トークンとしても利用できるそうです。

ちなみにこのWebイベントに合わせて、2018年に行われたエアドロップが2年越しに実施され、CoinListのページで確認できるようになっています。

 

2.CoinList president has joined a crypto project backed by Uber co-founder

CoinListのCEOであるAndy Bromberg氏は、CoinListを辞退し、EcoというプロジェクトのCEOになりました。Uberの共同創業者ギャレット・キャンプ氏が、このプロジェクトを支援しています。

Ecoは、銀行と同じように利子がつくウォレットアカウントを開設でき、ユーザーは給料の一部を自動でクリプト化し、2.5% ~ 5%の利息を得ることができます。また友達やお店にアプリから支払いができるなど、クリプトとフィンテックを横断するようなプロジェクトです。

 

3.Introducing $RAC

ファングッズなどをトークン化するZora上で、グッズを販売しているアーティストのRACが、パーソナルトークン$RACを発行すると発表しました。これまで Patreon, Twitch などで応援していたファンに配布され、ホルダーはDiscordに招待されて、特典を受けることができます。

RACはグラミー賞を取ったことがあるミュージシャンで、こういった有名人のファンコミュニティ・トークンが出てくるのは、たしかに面白いと思います。個人的には、すでに有名な人よりも、これまで収入フローがなかったクリエイターが新しくマネタイズできる道を作るというKickstarter的な利用方法に期待をしています。その使い方では、Zora よりも Foundation がそんな使われ方をしそうで、楽しく使っています。

またパーソナルトークンの話でいうと、rallyというプロジェクトがガバナンストークンを発行すると発表しました。rallyは、Twitchの動画ストリーマーや、その他クリエイターを表すトークンを作り、ファンとのやり取りができるという最近できたばかりのプラットフォームです。

RLYというERC20のガバナンストークンが10月15日に発行されますが、YFIのVault に追加の機能を加えたYield Delegating Vault(YDV) にて調達・配布が行われます。これは何かというと、プールに資産を預け、金利分をrallyコミュニティの財源に渡るように選ぶと、見返りとして RLYが得られるという仕組みです。このRLYを使って、rallyコミュニティの財源の使い道を決める意思決定に参加できます。 

とても良いトークン配布手法だと思いますし、YFIコミュニティへの貢献でもあります。

 

4.Equilibrium, a Polkadot-based project for cross-chain DeFi, raises $5.5 million

Polkadot上のクロスチェーンDeFiプロジェクトEquilibriumが $5.5Mドルを調達しました。
EquilibriumのEOSベースのトークンNUTを、PolkadotベースのトークンであるEQとの交換させるという方法で調達しています。

Equilibriumは現在、Polkadot上で、レンディングやステーキングなどのDeFiのプロトコルを開発してしていて、今後でてくるParachain(Polkadotに接続されるブロックチェーン)がそれをパーツにDeFiアプリを作れるようになります。また他チェーンから簡単にPolkadotに移行するインターフェースにもなるようです。こういったチェーン間のゲートウェイ的なプロジェクトは、Polkadotだけでなく他の新興チェーンでも出てくるはずです。

 

5.Founders And Executives Of Off-Shore Cryptocurrency Derivatives Exchange Charged With Violation Of The Bank Secrecy Act

米国の司法省が、BitMEXを2つの銀行秘密保護法違反で起訴しました。またCFTC(商品先物取引委員会)はBitMEXが反マネーロンダリング規制に違反したとして告発しました。BitMEX側のリリースでは、「米国政府の強引な決定に同意せず、弁護していくつもり」と発表しています。

このCFTCの発表の日だけで、BitMEXの預かるBitcoinの25%(約 484,000 BTC )が出金されました。Coinmetricsがまとめていますが、出金先は他の取引所が多く、BinanceとGeminiが1/3以上を占めています。

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6.YFI founder's incomplete DeFi protocol Eminence exploited, attacker drained $15M and then returned $8M

YFIのクリエイターAndreの周りに起こった出来事です。

まずコミュニティが、「Eminence Finance」というAndreの新しいプロジェクトを見つけました。まだテスト段階で未完成でした。しかしYearnの高騰が頭に浮かんだ人たちが、Andreのプロジェクトなら期待できると、EminenceプロトコルにプールしEMNをマイニングし始めました。価値は合計で $15Mドルにもなりましたが、まだ未完成であったため1日立たずにハッカーによる攻撃をうけ、約$15Mが流出しました。しかしその後ハッカーはその半分である $8MドルをAndreに返還し、コミュニティに返還されるように進んでいます。

Andreは今後もテストのコントラクトを本番環境でデプロイしていくつもりと言っていますが、公式発表をしない限り使用しないようにと警告しています。 

 

7.A comprehensive analysis on DEX liquidity aggregators’ performance

0x の 「0x API」が新しいバージョンになり、より有利な交換が可能となりました。同時に他のアグリゲーターとの比較レポートを出しています。

「異なるDEXから利用できる流動性を集約し、有利なレートで交換できる」というのがアグリゲーターで、1inch、Dex Ag、Paraswapなどがあります。

多くのアグリゲーターは、ユーザ獲得のため、ベストレート(見積価格)に最適化しています。しかし実際にオンチェーンで取引を完了し、ガス代を支払った後の結果は変動しますが、これは見積価格の精度、ガス使用量、応答時間などの変数があるからです。この実際の価格である「調整後価格(Adjusted price)」で評価・比較したのが、このレポートです。

結果は、10回中7回において、1inch、Dex Ag、Paraswap、Uniswapよりも、0x APIが良い調整後価格を提供しています。また興味深いのが、0x APIを介してUniswapの流動性にアクセスすると、Uniswapに直接アクセスするよりガス代が安くなる場合が多いという点です。これはコントラクトが最適化されているためです。

最近0xはアグリゲーションに注力しているようにみえますが、2017年にローンチされたときの元々のビジョンは、リレーヤーで流動性を共有するという「Networked Liquidity」であったため、当時からアグゲーションを志向していたともいえます。最近ではそれをより広範に、かつトレーダーに優しく、プロフェッショナルな仕様に仕上げてきています。

ちなみに1inchはCHIガストークンを導入するなどして工夫もしていますし、1INCHトークンも導入予定で、まだどのようなユーティリティか明らかになっていませんが、ますます競争が激しくなっていくと予想できます。

 

8.Braintrust raises $18 million in new funds for token-powered freelancer marketplace

ERC-20トークンを利用したフリーランスの人材マーケットプレイス Braintrustが、$18Mドルの資金調達を行いました。ACMEとBlockchangeが主導し、Pantera、Multicoin、Omidyar Technology Ventures、Variant、Hashkeyが参加しています。

Braintrustは、なんらかのトークンのガバナンスを利用して、人材プール側が意思決定に参加することができる予定です。また彼らの発行予定のBTRUSTトークンは「人材の招待と審査、クライアントの紹介などを行ったコミュニティに報酬を与えるためのインセンティブ」と説明されていて、今年後半にローンチ予定になっています。

 

9.Judge Rules Kik's Token Sale Violated US Securities Law - CoinDesk

SECとの裁判中のKikですが、ニューヨーク州南部地区の判事は、Kikが実施したトークンセールが無登録証券の募集であることに同意しました。Kikは控訴する可能性があると述べています。

SECの話題でいうと、2017年にICOを実施したSaltも $47MドルのICO資金の払い戻しを命じられました。SALTは14日間以内に、投資家に返金する内容をプレスリリースとして発表します。その後SALTトークンを証券として登録し25万ドルの違約金を支払うことで同意しています。SALTの投資家は、上の登録書が提出されてから3ヶ月以内に請求書を提出する必要があります。

SECは、トークンプロジェクトに対して、これまで通りの解釈で証券規制を強行しています。

 

10.SEC Won't Take Action Against Compliance-Focused Digital Security Exchanges

もう1つSECの話題ですが、SECの取引・市場部門が、ウォール街の自主規制機関であるFINRAの上級幹部へのレターの中で、「既存の規制を遵守するために努力している取引所は、制裁に直面しない」と述べています。帳簿上の資産の出所が正当なものであることを保証するデジタル・セキュリティ取引所は、妨げられることなく運営を続けることができるそうです。


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