ETH2.0テストネットSchlesi / PoSの自主規制ガイドライン

#126 Bspeak! 2020年5月18日号

■Last Week in Crypto(先週のニュース)

1.Libra.org

Libra協会に、新たにTemasek、Paradigm、Slow Venturesの3社が加盟しました。Temasekは、シンガポール政府が所有する $300 Billionドル規模のソブリン・ウェルス・ファンドです。「ソブリン・ウェルス・ファンド」とは、政府が出資する投資ファンドで、政府系ファンドなどとも言われます。

Temasekの他に今回参加が決まったParadigmとSlow Venturesは、多角的にクリプトへ投資をしている米国のベンチャー・キャピタルです。

Libraは先日ホワイトペーパーを内容を更新し v2 を発表し、その後すでに5つも新会員が増えています。

ちなみに変更後の特徴をまとめると、

・複数の通貨の価格に連動するLibraコイン
・1つの通貨の価格に連動のステーブルコインを複数導入(例, ドル、ユーロ、等)
・誰でも参加できるパーミッションレスシステムには移行しない
・Libra Reserve(準備金)による価格安定
・スイス拠点の強いコンプライアンスの体制
・中央銀行のデジタル通貨のインテグレーションが簡単

となります。また先週Libraの新CEOについて書きましたが、今年ローンチに向けて、準備が揃ってきて勢いを増しているようです。

 

2.POSA Advances Staking as a Service Industry Driven Solutions

ステーキング関連の企業からなる団体 Proof of Stake Alliance(POSA) は、PoSのチェーンと関連サービスの規制上の懸念に対応するため、基準を発表しました。記事には、SECと共有している5つの推奨事項の大まかな内容がまとめられています。

  1. 市場参加者に投資アドバイスを提供しない

  2. ステーキング報酬を「利益の機会」と呼ばない

  3. ネットワークへの参加とセキュリティをメインとする謳い文句にする

  4. サービス提供者がインフレ率をコントロールしているような記載しない

  5. ステーキング報酬の額を保証しない

ステークス報酬の需要が高まっていますが、事前にこういったガイドラインをある程度しめしておくことで、混乱や詐欺を避けることもできます。

ちなみにこのPOSAは、ステーキングの事業を行うPolychain Labs、Bison Trails、PoSチェーンの財団Web3、預かりとサービスを行うCoinbase Custodyなどの16団体から構成されています。

 

3.Around the Block #6: Bitcoin’s dominance alongside Coinbase customer behavior, the coming DEX revolution, and other recent crypto news

Coinbaseブログ記事の中で、Coinbaseユーザの好みや意思決定の調査結果を公開しました。2017-2018年の強気相場の暴落以降、ビットコインの(他の通貨に対する)ドミナンスは高まっているものの、取引量は時価総額に比べると上昇していないことがわかりました。Coinbaseの顧客は、ビットコイン以外の売買を好む傾向を示しています。

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また5回以上の購入経験のある顧客のうち、60%がビットコインから始めていますが、ビットコインのみを売買しているのはわずか24%で、75%以上の顧客が最終的には他の暗号通貨を購入しています。

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新規ユーザーはビットコインから界隈に入った後、他の資産やユースケースを探し始めることがわかります。以前から言われていますが、Bitcoin建てのサービスや取引も増えていますし、ビットコインはクリプト側の世界のゲートウェイにもなっています。それが裏付けられている貴重なデータと思います。

 

4.FalconX raises $17M in financing to build the future of digital-asset trading

FalconXは、Accel、Accomplice VC、Coinbase Ventures、Fenbushi Capital、などから$17 millionドルを調達しました。今回の資金調達は、新製品の導入、機関投資家むけのサポートに使われます。

記事によるとFalconXの顧客には、ヘッジファンド、決済ゲートウェイ、店頭取引デスク、マイニング企業、取引所など金融の100社以上がいるそうです。機関投資家が参入する際の障壁となっているのが、機関投資家向けツールやサービスなどと言われていますが、ここ最近では徐々に整ってきているように思えます。

 

5.Celo Gold Auction Sells Out on CoinList 

Celoを開発するcLabsは、CoinList上で、Celo Gold(cGold)トークンを販売し$10 millionを調達しました。KYCが必要で、米国以外の人であれば誰でも参加できるダッチオークションの形式で実施されています。

Celoは、a16z、Social Capital、Polychainなどの有名なファンドに加えて、Twitter創業者のJack Dorsey、AngeList創業者とエンジェル投資で有名なNaval Ravikant、LinkedIn創業者のReid Hoffmanなどの個人から、過去$36.5million ドルを調達しています。

 

6.reddit: the front page of the internet

オンラインフォーラムのRedditは、コミュニティポイントをEthereumのトークンで試すことになりました。以前から話はありましたが、正式Rinkeby testnetで発行され、今後メインネットに移行されます。

以下にRedditの文章を引用します。

===
コミュニティポイントは、Redditorsがお気に入りのコミュニティの一部を所有するための方法です。ポイントはコミュニティの価値の一部を獲得することができる。ポイントはプレミアム機能に使うことができ、コミュニティ内での評判を測る指標として使われます。
===

数億人いると言われるRedditのユーザにリーチするということで、Twitterなどで大きな話題となっています。

 

7.eth2 quick update no. 11 | Ethereum Foundation Blog

Ethereum財団のブログで、最初のEthereum 2.0マルチクライアント・テストネット(Schlesiという名前のテストネット)が稼働したことが書かれています。このテストネットは、ETH 2.0のバックボーンとなるビーコンチェーンの初期仕様を使用して、異なるクライアント(PrysmとLighthouse)がどう相互作用するかを評価することが目的です。さらに3番目のTekuクライアントがこのテストネットに参加しました。

今後 Schlesi テストネットを数ヶ月間運用し、評価し、メインネットに向けて一般の利用に耐えられるようにすることを目標にしているそうです。

ETH2.0への移行の時期は、予測にばらつきがあり、早ければ2020年第3四半期という人もいれば、2021年が妥当なタイムラインであると考える人もいます。一般的なETH保有者は、ETH 2.0が最終的に稼働する際の初期/過渡期においては、機能制限やリスクについて色々とキャッチアップが必要になりそうです。

 

8.PwC: Building relationships, creating value

PwCは年次報告書で、クリプトヘッジファンドの2019年の運用資産は$2 billionドルに増加し、前年の2倍になったと推定しています。平均ファンド規模も大幅に増加し、$20 million ドル以上を保有するファンドの割合も19%から35%に増加しています。

また面白いのはファンド/機関投資家の42%がステーキングを行っています。これは、カストディ企業がステーキングのサービスを始めたためでしょう。

このようなクリプトファンドが増えていくと、価格の乱高下や、中身を伴わない暗号通貨の価格上昇が減少するはずです。また今後ファンドの予算が増えれば、リサーチやデューデリジェンスなどをアウトソースできるようになるため、そういったサービスも今後息を吹き返していくかもしれません。

 

9.What Was TON And Why It Is Over

Telegram創業者のPavel Durov氏からのブログポストです。TONプロジェクトをすすめることができない旨を発表しました。

このメルマガでは最近毎週のようにTelegramとSECの対話の進捗を書いていましたが、ついに断念のようです。

Pavel Durov氏は、米国が世界の他の地域に対しても過度の財政的、技術的影響力を持っていて、他の国にとっての「何が良くて何が悪いか」を決定している、と言い放っています。

今回の結果はいずれにしても今後他のところにも影響しそうな話であり、取引所の上場廃止、プロジェクトに対する罰金なども増えるかもしれません。特にSAFTモデルで大型調達したFilecoinやDfinityに対して、SECがどのようにアプローチするか注目です。


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