uGAS先物トークンでヘッジする/ BadgerDAO / Mirror Protocol 等

#155 Bspeak! 12月7日号

■ Last Week in Crypto

1.uLABS Gas Futures Token. A simple solution to hedge and…

UMAを開発するuLabsから、Gas先物トークン「uGAS」がローンチされました。ガスをたくさん使うようなユーザーが、高くなる前にポジションを持っておくとヘッジとして機能することができます。また単にガス価格を投機するための手段としても簡単に使用することができます。

uGAS Station上から ETH(WETH) を担保にuGASトークンを発行したり、償却することができます。

先物契約のトークンなので、「uGAS-JAN21」のように、ハイフンの後に満期となる月が記載されています。uGAS-JAN21の例でいうと、2021年1月末に期限となることを表します。

※21は21日の意味ではなく、2021年の意味であることに注意です。

そして「uGAS-JAN21」トークンは、1月の全Ethereum取引のガス価格の中央値で決済されます。その次の月の「uGAS-FEB21」は、2月の全Ethereum取引のガス価格の中央値で決済されることになります。

## ヘッジに利用する例

投機に使う例はイメージしやすいですが、マイナーがマイニング収益をヘッジする場合にも利用できます。

例えば、Ethereumのマイニング事業をやっている人が、1ヶ月後はETHガス価格が下落すると予測したとします。ガス価格が下落すると、(一般的には)トランザクション収入が減り、マイナー収益が全体として下がってしまいます。そこでヘッジとして、そこでETHを担保にして、uGASトークンを発行し、Uniswapでトークンを売ります。

1ヶ月後:

a)予想通り、ETHガス価格が下落する場合
b)予想に反して、ETHガス価格が上昇する場合

が考えられます。

a) もしETHガス価格が下落した場合

この場合、uGASトークンを発行して売ったときより、低い価格でuGASトークンを買い戻して返せるので、利益がでます。ガス価格の下落によってマイニング収益は下がりますが、uGASトークンの利益で相殺されます。

b) もし予想は外れ、ETHガス価格は上昇した場合

この場合、uGASトークンを発行して売ったときより、高い価格でuGASトークンを買い戻して返さないといけないので、損失がでます。しかしガス価格の上昇により、マイニングの収益があがったため、この損失は相殺されます。

つまりuGASトークンでヘッジをすることで、マイニング事業の収益を安定させることができるということになります。

ちなみにEthereumのマイナー収益の話でいうと、11月のマイナー収益は$262Mドルの収益で、10月の数字を上回っています。そのうち$64.1Mドルの収入は取引手数料からで、DeFiの利用、ファーミングの活性化に由来しています。

参照:Ethereum miners brought in $262 million in revenue last month

 

2.Wrapped Bitcoin ‘Burns’ Increase as Traders Rotate Capital Out of Cooling DeFi

WBTCのバーンが増えている、という記事です。これはつまり、今までBTCを担保にEthereum上で発行されていたWBTCが、償却(アンラップ)され、BTCに戻されているということになります。12月はまだ途中ですが、以下のようなグラフになっています。

BTCがEthereum上で使われなくなったと捉えるよりは、DeFiやファーミングの過度な報酬が少しだけ落ち着いたためと言えると思います。またBTC価格の上昇や、WBTC以外の選択肢(RenBTCやsBTCなど)が利用されるようになったことも要因と言えると思います。

BTCの価格変動にポジションを持ちながら、Ethereum上のDeFiプロトコルを利用するという流れは今後も大きくなると思います。それを促す BadgerDAOというプロジェクトが、ちょうど先週プロダクトのローンチとガバナンストークンの配布を始めました。

このプロジェクトでは、今のところ以下のようなプロダクトを開発しています。

(1) BTCに特化した 利回りの自動最適化
(2) ビットコイン価格にペグするトークン

(1)は YearnのBTCトークン特価版といえます。(2)のビットコイン価格にペグするトークンは、AMPLのエラスティック・サプライの方法をとります。つまりペグの目標とする価格からの乖離度に応じて供給量を調整し、ホルダーの残高を調整する方法です。

これらを開発するDAOのガバナンストークンが $Badgerトークンですが、過去にRenBTCを発行したり、WBTCの流動性を提供していたり、と条件を満たしているアドレスは、https://app.badger.finance/ のHunt から報酬を得ることができます。

 

3.An Introduction to MIR Token Farming on Mirror Protocol

Terraの創始者が、AppleやTeslaのような上場企業の株式価格に連動するトークンを発行できる Mirror Protocol を発表しました。いわば合成資産を作成するプラットフォームです。

これらの合成資産は mAsset と名付けられ、6分ごとに価格をチェックできるオラクルを使用し、実際の株式市場における米国株式の価格を追跡します。

合成資産を発行するプラットフォームといえば、Synthetixが先行していますが、発行する合成トークンのボラティリティが高いため、SNXトークンが750%以上の担保率が必要です。一方今回のMirror上の株式トークンは比較的ボラティリティが低いため、発行にはTerraのステーブルコインの1つに150%以上をステークすることで発行することができる設定となっています(他のmAssetsを使ってミントすることも可能ですが、その場合は200%の担保率が必要となっています)。

つまりこのMirrorプロトコルで、Terraチームが直接的な収益を得ることはないですが、モデル的にはTerraのステーブルコインの需要が高まることになります。

上位と同時に、MIR と呼ばれるガバナンストークンをフェアローンチしました。上で書いた $Badger と同じように、過去の条件を満たした対象アドレスが受け取ることができます。具体的には、11月23日に100 UNI以上もっていたアドレスに分配され、またLUNAトークン(Terraステーブルコインがペグを維持できるようにするためのトークン)保有者にも分配されます。

ここから確認ができます:https://eth.mirror.finance/airdrop

その他の配分については、今後 mAsset を取引するAMMに流動性を提供したり、MIR自体を取引したりするユーザーなどに、4年間一定のレートで配布されていきます。

 

4.1inch successfully closes $12 mln funding round led by Pantera Capital

DEXのアグリゲータである 1inch が、$12Mドルを調達しました。将来のトークンとの引き換えの調達になります。このSAFTラウンドは、Pantera Capital、ParaFi Capital、Blockchain Capital、Nima Capital、Spartan Groupなどが参加しました。この資金で、現在30人弱のチームを拡大し、新製品やプロトコルのローンチをしていきます。

まだ正確にはわかりませんが、ガス効率が良い指値注文の追加など、今後2年間のロードマップがまもなく発表される予定になっているようです。

1inchトークンは、8月に発表され、まだ配布はされていませんが、Mooniswap上でファーミングが継続中です。コードは完成していて、1inch Foundationも存在しているそうですが、規制の面で時間がかかっているようです。また7社がコントラクトを監査していて、それらの結果がでてから、今年中にはローンチされると言われています。

 

5.Cosmos-based interoperable DEX Sifchain raises $3.5 million in SAFT sale

DEXプロトコルのSifchainが、$3.5Mドルのシード資金を調達しました。SAFT(将来トークンとの引き換え)の形での資金調達で、NGC Ventures、Alameda Research、Mechanical Capital、Bitscaleなどが参加しました。

Sifchainは、Cosmos上で構築され、Ethereum, Bitcoin, BinanceChain, Polkadot, EOSなどいくつかのブロックチェーンとの相互運用が可能なDEXを開発しています(参照:Whitepaper

メインネットは来月を予定していて、4月までには、信用取引と指値注文の機能を追加し、その後、他のチェーンとのブリッジを増やしていく予定になっています。Rowanというネイティブトークンを発行し、将来はパブリックセールを実施するそうです。

 

6.Spotify - Associate Director, Payments Strategy & Innovation

Spotifyが、暗号通貨とデジタル資産の取り組みをリードする人材を募集し始めました。

「Spotifyの支払い戦略を実装するだけでなく、Libra ステーブルプロジェクトとより広いデジタル資産&暗号通貨におけるSpotifyでの活動をリードする役割」とあります。

Spotifyは2017年にMediachainを買収し、Libra協会にも名を連ねていますが、具体的にどのように暗号通貨が利用されるかは明らかになっていません。

ちなみにそのLibraは先週 Diem にリブランドされました。規制当局との対話でついた印象を変えるため、また実際に初期の提案から内容が変わっているため、リブランドを実行したそうです。早ければ来月にもローンチされるかもしれないと言われています。

 

7.Human Protocol Brings Distributed Marketplaces to Moonbeam

ボット対策のシステム hCaptcha のもとになっている Human Protocol が、Ethereumをこえて、Polkadot上のチェーン(になる予定の)Moonbeam上で展開するを発表しました。

Captchaとは、人間であることを認証するためのテストです。Webアカウントにログインする際に、画像を選んだりラベリングしたりして、ログインをしたことのある人は多いと思いますが、あれがCaptchaです。

現状はGoogleの『reCAPTCHA』が大多数を占めていますが、最近はhCaptchaがプライバシーの観点から徐々にシェアをとっており、インターネット上の15%で運用されています(発表記事:hCaptcha Is Now the Largest Independent CAPTCHA Service, Runs on 15% Of The Internet

Cloudflareも、プライバシー向上やコストを下げるため、GoogleのreCAPTCHAから、hCaptchaに移行する予定としています。

そのhCaptchaは、Human ProtocolをEthereumのプライベートチェーンで利用しており、ユーザが hCaptcha を解く都度、ブロックチェーンが利用されていることになります。今後パブリックに移行するにあたりMoonbeamでテストをして評価していきますが、Polkadotのパラチェーンが2021年に稼働してからが本番になります。

ユーザーがWebサイトでhCaptchaで認証するたびに、WebサイトがHMTトークンを獲得できる(機械学習会社がデータにラベルを付けるためにHMTトークンを支払う)というモデルにしたいようです。

 

8.Binance Launches ETH 2.0 Staking Service with Double Rewards Activity!

BinanceがEth2のステークキングサービスを開始すると発表しました。

ETHをEth2にステーキングしたユーザは、毎日の報酬がBETHトークンの形で配布されます。このBETHは、ETH 2.0フェーズ1が稼働したときに、ユーザーが1:1の比率でETHを換金することができるので、基本的にはこれまでBspeak!で紹介しているLidoやLiquid Stakeなどと同様です。

また 12/2 - 12/16 の間は、KYCを完了したユーザーは、ステーク報酬として獲得したBETHに加えて、BNBの追加報酬を受け取ることができ、報酬を2倍にブーストするキャンペーンを実施しています。

取引所も、ステーキングサービス事業者も、DAOもETHを集めようと色々なインセンティブをつけてきて、競争が激しい状況になっています。

 

9.UK crypto app Ziglu closes £6 million crowdfunding raise

暗号通貨トレード/決済アプリ「Ziglu」は、クラウドファンディングで6.1Mポンドを調達しました。イギリスの株式クラウドファンディング・プラットフォームSeedrsで実施されました。Zigluは、取引所のGeminiとArchaxと並んで、英当局FCAから認可をうけた3企業のうちの1つです。

 

10.Circle Announces Partnership with Visa to Bring the Benefits of Stablecoins to Businesses Worldwide

 CircleがVisaとパートナーとなり、クレジットカードにUSDCの決済機能を追加することを発表しました。最終的には、Visaをサポートしている商業企業同士で、USDCの支払いを国際的に送ることができるようになるようです。そして資金はその国の通貨に変換され、Visaを受け入れる場所であればどこでも使用することができます。

Visaカードを来年に出すと発表したBlockFiのようなウォレットプロバイダーでも、2021年の第1四半期には、USDCで決済できるようになる予定です。

 

11.Coinbase joins Square’s crypto patent effort COPA

Coinbase が Squareの Crypto Open Patent Alliance (COPA) に参加しました。COPAは9月の発足時にBspeak!で記載しましたが、このコンソーシアムの参加企業が「クリプト関連の技術をオープンソース化し、出し合ってプールにまとめ、成長企業を邪魔するような著作権の利用をしないことを約束する」ことによってクリプト界隈を成長させることが目的になっています。会員企業がお互いの特許を利用することができ、特許攻撃者から防御することができます。発表以来、サトシ・ラボ、Satoshi Labs, Kraken, Protocol Labs、Blockstreamなど18社がこのイニシアチブに参加しています。


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