Binanceクラウドは主な収益源になるのか?

#114 Bspeak! 2020年2月24日号

■Last Week in Crypto(先週のニュース)

主に海外の記事や英語の論文について触れます。

1.Binance Cloud | Build your crypto business in minutes with Binance

BinanceがBinance Cloudという新しいサービスを発表しました。マッチングエンジン、取引リスク管理などの取引所機能をホワイトラベルのソフトウェアとして提供し、利用料を取る形です。Binance Cloudを使った最初の取引所が2020年3月上旬に開始される予定で、ロードマップとしては、OTCやステーキング、IEOといった機能も付けていく予定となっています。けっこう気合が入っていて、CEOのCZは、Binance Cloudが5年間で同社の最大の収益源になるとBloombergに伝えています

FTTという取引所のOTCが、ホワイトラベルとしてそれなりに収益をあげているそうですが、Binanceもその戦略を採用し、死角なしといったところです。ここでアナウンスするということは、すでにクライアントが複数いるはずでしょうから、向こう1,2ヶ月でいくつか「Binance Cloudを利用している利用しているプラットフォーム」みたいな発表が聞こえてくるでしょう。

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2.https://sorare.com/

Sorareという企業が、ユベントスとライセンス契約を結び、選手のデジタルトークンを発行しました。クリスティアーノ・ロナウドのカードも発行されています。暗号通貨とは関係ないのですが、Cロナは先日、Instagramで個人アカウントとして世界初の2億人フォロワーを超えました。このフォロワー数は、本業のサッカーの年俸よりも収益をあげることのできる計算になり、アスリートが本業よりも収益を得ることができる時代になってきています。Sorareでも、リアルの選手のパフォーマンスとカード(ゲーム)の状態が連動するようになっていますが、この2020年代はデジタルとリアルが交差する時代に突入します。

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3.Paxos, Credit Suisse Claim First Blockchain-Based Settlement of US Equities

ステーブルコインを発行するPaxosは、ブロックチェーンベースのエクイティ決済ビジネスを開始しました。クレディ・スイスと、野村ホールディングス母体のInstinetが、Paxosの独自チェーン(イーサリアムのプライベート版)上で動く決済サービスを最初に使用しています。

Paxosが2年以上に取り組んできたこの「Paxos Settlementサービス」は、現在DTCCという企業が支配している地位を脅かし、証券市場をディスラプトするのではと話題になっています。DTCC(Depository Trust&Clearing Corporation)は、清算・決済サービスを提供する米国の金融サービス会社で、40年以上も金融取引約定後の業務処理のインフラを支配してきました。今回のPaxosの試みは、DTCCの誕生以来初の出来事としても説明されています。

 

4.We tracked 133,000 Ethereum names and exposed their secrets

メディアDecryptが、130,000以上のEthereum Name Service(ENS)アカウントのオンチェーンの行動を追跡&分析しました。

ENSを使用すると、Ethereumの英数字のアドレスを、名前に置き換えることができ(例:coffee.eth)、ユーザー体験がよくなりますが、プライバシーの側面は損なわれやすくなります。

Decryptでは、Ethereumのデータは公開されているため、ENS名+トランザクション履歴(つまり投資や支払い、レンディングなどの経済活動)を、そのENSの所有者の実際のアイデンティティに簡単にリンクできることを表しています。

ENSは便利ですが、プライバシーが必要な人はENSですべてを処理しないほうがよいことがわかります。また別の見方をすれば、ENSは今のところDeFiの信用スコアの構築としては有用と言えます(このアドレスは過去のこれだけのローンを返済しているので、余剰担保なしで貸し付ける等)。

現状では「ユーザビリティとプライバシー」はトレードオフにありますし、bZxの攻撃で明るみになっているように「プロトコル組み合わせ自由度と依存によるリスク」もトレードオフにあります。今後は一層、AztecやZKPといったプライバシー技術が、実用には欠かせないという認識が広まっていくはずです。

 

5.SEC.gov | ICO Issuer Settles SEC Registration Charges, Agrees to Return Funds and Register Tokens As Securities

米SECは、$45 millionドルをICOで調達したEnigma MPCとの和解を発表しました。和解の一環として、Enigmaは損害賠償請求プロセスを通じて投資家に資金を返還し、トークンを証券として登録することに同意しました。またSECに定期報告書を提出し、$500,000ドルの罰金を支払うことも要求されます。SECは、EOS、Kin、Shopin、Telegramなどに続き、2017年/2018年でのICOに措置をとってきています。

Enigmaは同時に、メインネットのローンチを発表しました。これはCosmos SDK/Tendermintを使った独自チェーン(PoS)で、ネイティブトークンはSecret(SCRT)という新しいトークンです。これまでEthereum上でENGトークンが配布されていましたが、メインネットのSCRTトークンに移行するために、法に準拠したスワップ方法を模索している状況です。独自チェーンへの今後も進むと踏んでいますが、本件を見ている限り、すでにトークンを持っているチームの移行が法的に時間がかかり、新しく始めるチェーンやトークンのほうが早く配布・普及させていくかもしれません。

 

6.Paxful Ready to Build on its African Market Success in 2020

ピアツーピア(P2P)ビットコイン取引所であるPaxfulが、2019年に$1.6 billionもの取引量を報告しました。現在 300万のウォレットをホストしています。

アフリカの利用者が2019年に一気に伸び、45%以上がアフリカからの利用だそうで、ギフトカードを使用した国際送金手段として多く利用がみられたこのアフリカ市場で、さらに拡大させていく予定です。Paxfulは、2015年の事業開始以来、毎年25%以上の取引量の増加をつみあげていき、世界でトップのP2P取引所の1つになってきました。こちらについては 2019年12月2日号 でも触れた通りです。

 

7.An Update About the State of All in Bits Inc (DBA Tendermint Inc)

Cosmosのコア開発チームであるTendermint Inc.(All in Bits Inc.)は、IBC(Inter-Blockchain Protocol)とTendermint Coreチームに分かれることとなりました。この2つのエンジニアチームは、Interchain Foundation(ICF)の支援を受けてドイツ拠点に新しい会社を設立し、Cosmos開発を継続します。同時にディレクターのZaki Manian氏などの辞任が発表されています。

Tendermintは引き続き Interchain Foundation から受託し、Cosmos SDKの開発のサポートしますが、Tendermint CEOのJae Kwonが支援するVirgo(CosmosのZoneの1つ)に注力していくことを発表しています。


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